2025年、私の総資産はようやく5,000万円を超えました。(正確には世帯収入です。)
この数字を一つの節目として捉え、これまでの取り組みを静かに振り返ってみたいと思います。
資産形成の話というと、よく「インデックス投資を淡々と積み立てていれば誰でもFIREできる」といった、ある種の理想論を目にすることがあります。もちろん、その考え方自体を否定するつもりはありませんし、私自身もS&P500などのインデックスファンドには積極的に投資してきました。
しかし、実際に5,000万円という金額を築くまでには、投資そのもの以上に、ハードワークの積み重ねが必要だったというのが率直な実感です。
特別な才能があったわけでも、スタート時点で多くの資産があったわけでもありません。IT領域でキャリアを築きながら、日々の仕事に向き合い、できることをひとつずつ重ねてきました。
現在の働き方は、本業+副業+副業のトリプルワークです。
まず、平日は正社員としてIT企業で働いています。私の本業でありキャリアの核でもあります。加えて、個人事業として複数のプロジェクトに関わる副業を行い、さらに、実家の家業の手伝いもしています。
こうした3本柱の働き方を日常に組み込むことで、収入の複線化を図ってきました。平日は仕事に追われ、週末もパソコンに向かって業務をこなす生活が続いています。
このような背景のもと、少しずつ着実に資産が形成されてきたというのが、私のこれまでの歩みです。
SNSなどでよく見かける華やかな成功談とは異なり、どちらかと言えば地味な活動ですが、短期間で資産を伸ばすことができたのは良かったです。
資産5,000万円という数字を聞くと、多くの人が「投資で大きく儲けたのではないか」と想像するかもしれません。しかし、私の実感としては、その9割は日々の労働から得た収入を、愚直に投資へ回してきた積み重ねの結果です。
IT業界でのキャリアは10年以上にわたり、これまでに少なくとも4回の転職を経験してきました。
転職のたびに、ポジションやスキルセットの見直しを行い、自らの市場価値を少しずつ引き上げることを意識してきました。単に年収を上げることだけが目的ではなく、将来的な自由度を高めるために、着実にキャリアを積み重ねてきたと言えます。
投資戦略の軸はインデックス投資
私の資産運用の中核を担っているのは、米国と日本の代表的な株価指数に連動するインデックスファンドです。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 日経平均
いずれも長期的に成長が期待できる市場に分散して投資できる商品であり、過度なリスクを取ることなく、安定的な資産形成を目指しています。
NISAとiDeCoもフル活用しています。
一括投資と積立投資を組み合わせ、相場環境に応じて調整を加えながら運用を継続しています。価格変動に一喜一憂せず、あくまで長期の視点から、粛々と資産を積み上げるという方針です。
初期の資金は「エムスリーの成功体験」から
投資を始めた当初、個別株で投資をしていて、400万円ほどの資金がありました。
その資金の一部を医療系成長株であるエムスリーに投資したことで、短期間で800万円近くにまで増やすことができました。
今振り返ると、これは明らかに運の要素が強かったとはいえ、この成功がその後の資産運用の土台となりました。
このタイミングで得た利益を、S&P500連動のファンドに振り替えることで、以後はインデックス中心の長期投資に軸足を移すことになります。
生前贈与による資金的な後押しも
親からの生前贈与によって数百万円規模の援助を受ける機会にも恵まれました。
こうした資金的な支援があったことで、投資の元手をさらに厚くすることができ、リスクの低い資産配分を保ちながら運用を進める環境が整いました。
贈与を含めた家族からの支えは、間違いなく資産形成において重要な役割を果たしました。ただ、それをどう活かすかは自分自身の判断と行動にかかっていたとも思っています。
共働きと地方移住が支えた生活設計と資産効率化
資産形成を進めるうえで重要だったのは、生活基盤そのものをどう設計するかという視点です。
投資のリターンや収入の多寡だけでなく、「支出を最適化しつつ、安定した可処分所得を確保できるかどうか」が、長期的な資産拡大に大きな影響を与えると実感しています。
我が家は共働きで、妻は非常勤で時短勤務しており、家計には二つの安定した収入源があります。
一馬力では難しい家計のバランスも、二人で分担することで無理なく成立させることができ、投資に回せる資金の余裕も生まれました。
また、数年前に地方への移住を決断したことで、家賃や生活費などの固定コストを抑えることが可能になりました。
東京の都心部に住んでいた頃と比べると、支出構造は大きく改善され、その分、家計の余剰を投資や教育、自己投資などに回す余地が広がっています。
今後の展望|現実的なサイドFIREを視野に入れつつ
資産が5,000万円に到達したことで、一つの通過点には立てたと感じていますが、これがゴールだとは考えていません。
今後も、これまでと同様に、本業・副業・家業という複線的な労働収入を継続しつつ、安定した投資運用をベースに資産を積み上げていく方針です。
特にこの先は、「サイドFIRE」や「セミリタイア」といった選択肢を現実的なものとして視野に入れ、“働く・休む・学ぶ・育てる”といった時間配分をより柔軟に設計できる状態を目指したいと考えています。
引き続き、地道な労働による収入基盤の維持と、投資による資産の複利成長という二本柱を軸に据えつつ、生活全体の構造を少しずつシフトさせていく準備を進めていきます。